- 初出誌
- 『ぶ~け』1981年8月号 p5~74(75p)
- あらすじ
- 大学生の草はある夜、「ねこ」を拾った。仕方なく一緒に暮し始めるが、ねこは全く常軌を外れた少女だった。生まれたての赤児の様に、何も知らないのである。一つ一つがねこにとって新鮮な驚きなのた。そんなねこに手を焼く草。二人の奇妙な生活――。そこへある日、親友の時雨が草が想いをよせているあけみや他の友達を連れてやって来た。と、ねこは突然動かなくなってしまう。ねこは人形だったのだ――。多少草は驚くが、「ねこ」は「ねこ」である。変わらぬ日々のうち、ねこが大好きだった金魚が死ぬ。初めてねこが見る「死」。「肉体は土に還り、魂は天に還るんだ」降りそそぐ雨の中で立ちつくし、「生」の暖かさを朧げに感知するねこと草…。(『増刊ぱふ』1986年vol.2より)
- 収録書籍
- 「草迷宮・草空間」1985年3月10日 集英社